コラム

井上奈々子の『食の豆々知識』

2020年11月9日

Vol.197 痰湿体質

急に寒くなり、空気も乾燥してきました。

肌もすぐにカサカサしてきます。

湿度が高い方が、新型コロナが広がりづらいそうです。

今年はいつにも増して、加湿に気をつけなくてはいけない冬となりますね。

換気もしなくてはいけませんし。

そういった意味では、マスクは、鼻やのどを潤してくれるので、冬にはいいアイテムなのかもしれません。

そんな話をしながらも、今回は、湿が溜まりやすいタイプの体質、「痰湿」体質の話。

体質判断チェックシートは過去の回にのっています。

ぜひ、ご自分の体質をご確認ください。

●痰湿体質とは

代謝機能が低下することにより、水の流れが滞り、水が体内にたまりやすい体質です。

皮脂が多い、汗をかきやすい、身体が重だるい、むくみ、胸がつかえる、痰が多い、めまい、眠気、倦怠感、下痢しやすいなどの症状があげられます。

舌は、色が薄く、分厚くて大きくなります。

また、舌の淵によく歯根ができやすいです。

主に、脾胃(胃腸)の機能の低下が原因であることが多く、疲れたり、食べ過ぎたりすると、すぐに下半身がむくみ、冷えや痛みの症状を訴える方が多いです。

ただし、もともとの体質により、陽盛の方などは湿熱に変わり、熱をもつこともあるので、注意が必要です。

●痰湿体質の薬膳処方

まずは、水液代謝を調整し、余分な水湿を取り除く「去湿類」の食材を選びます。

利尿作用が高いものが多いです。

痰の症状を改善する、「化痰止咳平喘類」の食材も加えることもあります。

また、脾胃が弱っていることが多いので、健胃の働きもある「補気類」の食材や、水分が下半身に下がり、めぐりが悪くなっているため、めぐりをよくしてくれる「理気類」の食材も効果的です。

甘いもの、油の多いものは、脾を疲れさせますので、避けるようにします。

食薬の性質は、辛味・鹹味、香りのよいものがおすすめです。

冷えによりめぐりが悪いときは「助陽類」を、湿熱に変わった時には「清熱類」も使用します。

消化不良による脾胃の補いには、「消化類」を使用します。

どちらにしろ、自分の体質、体調をよく確認することが必要となります。

●痰湿体質によい食材

今までに何度も出てきていますが、確認です。

去湿類:はと麦、とうもろこし、小豆、黒豆、冬瓜など

化痰止咳平喘類:里芋、竹の子、春菊、豆乳、柿、梨など

補気類、理気類他は、前回までの体質に合わせご参考に。

つまり、世の中が乾燥していても、脾胃の疲れなどにより身体には水分が溜まっていることも多く。これは潤いとはまた違ったものなので、余分な水分を出すことが必要になってくる訳です。

部屋は加湿し、肌は乾燥しているので保湿し、身体の中は水分が溜まっているので去湿する...。

なんてめんどうなんだ...。

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