コラム

井上奈々子の『食の豆々知識』

2021年1月12日

Vol.199 血瘀体質

あけましておめでとうございます。

さて、元旦に迎えた年神様がいるとされる松の内があける日(地方によっては違うようですが)、通年だったらまだお正月ムードがさめきっていないような1月7日、2度目の緊急事態宣言が出されました。

いつもでしたら、年賀状の「今年こそ会いたいね」という社交辞令のような言葉も、「昨年は、大変な年となりました。落ち着いたら会いたいね」と、いつもと同じようなのに、いつもよりも重い言葉が多く感じました。

緊急事態宣言が出ると、やはり不要不急はやめ、うちにいるようになります。

身体を動かさないと、血流が回らなくなります。

いつもより、冷え性を感じていたり、痛みを感じたりしている場合、もしかしたら、血が滞っているせいかもしれません。

本日はそんな「血瘀体質」のお話し。

体質判断チェックシートは過去の回にのっています。

ぜひ、ご自分の体質をご確認ください。

●血瘀体質とは

長期間にわたる情緒の抑鬱、不愉快な気分などにより、気のめぐりが滞っている体質のこと。

一般的に、顔色が悪い、無表情、ため息が多い、不安感、眠りが浅い、怒りっぽい、腹部が脹れる、胸やのどがつかえる感じがする、などや、生理痛などの症状があげられますが、難しいのは、これを自分では気づかないことが多い、ということです。

血がなめらかに流れず、滞りやすい体質のこと。

瘀血とは、血瘀により血が固まった状態のことです。

一般的に、顔色が悪い、目の下のクマ、あざができやすい、シミが多い、目の乾燥、身体の決まった場所に痛み(疼痛:刺すような痛み)やしこり(腫塊:出血の脹れ、固まり)がある、などがあげられます。

舌の裏側の静脈は、太く青紫になり、皮膚や舌、口唇に紫紺(紫や黒い色の斑点など)が表れます。

不正出血などの症状がある場合もあります。

●血瘀体質の薬膳処方

血の流れが滞っているため、血の流れをよくし、臓腑の働きを調整する「理血類」の食材を使用します。

また、「去風湿類」の食材を加えると、骨や筋肉などにたまっている湿を取り除くことができ、血流がよくなり、活血の効果が高まります。

冷えて滞ることも多く、身体を冷やすものはさけ、温性または熱性のもの、辛味のものをとるようにすることがおすすめです。

●血瘀体質によい食材

今までに何度も出てきていますが、確認です。

理血類 : 青梗菜、なす、れんこん、きくらげ、くわい、酢など

去風湿類 : うど、かりん、酒、さくらんぼなど

また、めぐらないのは「気」の働きが足りないため、「補気類」の食材や、それをめぐらせるために「理気類」の食材を加えることもあります。

瘀血は、気帯(気が滞る)、気虚(気が足りない)、血虚(血が足りない)、冷え性、外傷などの原因があげられますが、身体を動かさないことによっても起こります。

今回、特にこの寒い時期の自粛は、更に、身体を動かさなくなりがちです。

現に、うちでは、この2日間で、たまっていた「24JAPAN」(ドラマ)を13時間ぶっ通しで見てしまいました…。

身体が痛いです…。

これではいけません…。

皆様も、自分の体調を毎日感じ、必要なものを食べ、よく身体を動かし、新型コロナはもちろん、他の病気にも負けない身体を作ってください。

さて、体質の話も、これで8つ話し終わりました。

中医学は、まだまだ奥が深いのですが、少し飽きてきたので(あ、私じゃなく皆様が飽きてきてますよね笑笑)、今年は、また、違ったお話をさせて頂こうと思っております。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

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