コラム

井上奈々子の『食の豆々知識』

2021年6月7日

Vol.204 おから

近年、SDGsの取り組みが様々なところで行われていますが、そのひとつに「つくる責任つかう責任」という目標があります。

私の住む荒川区でも地域の取り組みとして「食品ロス」があげられ、第一弾としてお豆腐屋さんのおからを使用したグランプリがおこなわれることとなりました。

ということで。今回は「おから」のお話。

●おからって食品ロスなの?

お豆腐屋さん1日1店舗で約200㎏超、国内では年間70万トンにものぼるおからが排出され、そのほとんどが実は廃棄されています。

ちなみに簡単に木綿豆腐の作り方を説明しますと。

まず、水に浸水させた大豆を加水しながら粉砕します。

粉砕したものを加熱します。

そして布の袋などに入れて絞ります。

ここで絞られたものが「豆乳」、そして袋に残されたものが「おから」です。

この豆乳ににがりを加え固め、さらに木綿をしいた型に入れて水分を切ったものが木綿豆腐、にがりを入れた豆乳をそのまま型に流しいれ固めたものが絹豆腐となります。

つまり、豆腐はもちろん売られていますし、豆乳も普通にスーパーで売られていますが、おからは…なかなか売られていないのが現状です。。

●うのはなって何?

おからは、搾りかすという意味。

茶殻の殻(から)に丁寧語の「御」がついたといわれています。

丁寧語の御をつけたところで、もとは搾りかすかいっ、と突っ込みを入れたくなりますが…(笑)。

で、この「殻」という名前があまりよくない、と、料理にするときは、白い空木(ウツギ)の花のようだと、「卯の花(うのはな)」、包丁で切らずに食べられることから「雪花菜(きらず)」などと呼ばれるようになりました。

また、中国や韓国など、豆腐が存在する東アジア一帯でも、おからはなじみ深い食品となっています。

●おからは搾りかすだから栄養はないの?

実は、搾りかす(笑)なんですが、豆乳よりも栄養価が高いんです。

もとは大豆ですから、たんぱく質もカルシウムも食物繊維も多く含まれているのは想像がつきますが、その値がなんと。

豆乳の、たんぱく質は2倍、カルシウムは5倍、そして食物繊維は50倍以上も含まれているんです。

一時、サプリメントなどの大豆イソフラボンによる過剰摂取などが問題となりましたが、いくら栄養価が高く取りやすいからといって、豆乳ばかりを飲むのではなく、おからも一緒に摂取すると大豆丸ごとが摂取できることとなり、本当に身体によいといえるのかもしれませんね。

とはいえ、おからを摂取しようにもどうやって食べたらいいのかわからない、という方が多いかと思います。

そこで文頭にもどりますが、おから活用グランプリな訳です(笑)。

おからを使用した商品やサービスを各店舗で開発し、グランプ開催期間に提供を行い、投票にてグランプリを決定します。

参照:大倉屋豆腐店が「おから活用グランプリ」を開催中!参加締切は4月12日 | 荒川102 (arakawa102.com)

そして、この期間中に、酒屋さんとのコラボで、米麴を使用したおから味噌のワークショップをします(←これは宣伝 笑)。

参照:FBインスタ モリタヤ酒店 で検索(荒川区です)

おからが身体にいいとわかりながら、なかなか手を出せないでいるからなのか、ありがたいことに告知してすぐに満席となり、日程を増やしました。

ご興味ございましたら(笑)。

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