コラム

井上奈々子の『食の豆々知識』

2021年8月10日

Vol.206 ヘンプシード

今、数あるスーパーフード(健康食品)の中でも、最近特に注目されている「ヘンプシード」。

ヘンプシードとは、「ヘンプ=麻」、つまり、麻の実のこと。

七味唐辛子に入っている、カリッとした黒い粒、そう、あれだって、知っていました?

麻の実は、縄文時代から食べられている穀物だそうで、漢方薬としても使われています。

その麻の実が、なぜ今、注目をあびているのか?

今回は、そんな麻の実、「ヘンプシード」のお話。

●え?麻の実って大麻の実??

そうです。

実は、麻の実は、大麻の実。

でも、もちろん違法薬物ではありません。

大麻の国内栽培および加工、輸入は、厳しく規制され、薬理成分の影響を受けていないことや、熱処理などがされていることなど、国の許可を受けたものだけが製品として販売されています。

なので、麻の実を食べても、依存症や幻覚症状がでることはありません(笑)。

でも、あのカリッとしたかなり癖のある麻の実と、食べやすいヘンプシードが一緒のものなの?と思いませんか?

実は、麻の実の中身はとてもやわらかく、ヘンプシードは、この麻の実のかたい殻を取り除き、食べやすくしたものなんです。

●なんでそんなに話題なの?

ヘンプシードは、他のスーパーフードと同じように、食物繊維をはじめ、鉄やマグネシウムなどのミネラルが豊富です。

そして、必須脂肪酸のバランスがよく、オメガ6とオメガ3の割合が理想的な上、トランス脂肪酸はゼロ。

また、たんぱく質が豊富な上、消化しやすく吸収されやすいたんぱく質を含んでいます。

これらのことが特に注目され、毎日摂取したほうがよいオイル、また、プロテインとして、話題となっているんです。

●ヘンプは、安心安全エコ植物。

ヘンプは、病気や害虫に強く、農薬や化学肥料を必要としない植物であり、更に90日間で収穫できる持続・再生可能なサステイナブルな植物です。

そして、そのわずか90日間で、1ヘクタールにつき2万㎏以上の二酸化炭素を吸収するといわれており、その量は他の小麦などの植物と比べても圧倒的な多さです。

エコな上、農薬などを使用しないヘンプは、子供からお年寄りまで安心して食べられます。

そんなことも注目を集める一つなんですね。

ところで、麻の実は、漢方薬では「麻子仁(まにしん)」と呼ばれ、腸を潤し便秘を解消する生薬として使われきました。

食物繊維多が多く、マグネシウムを豊富に含んでいるので、確かにそうなりますね。

ただ強い薬として扱われ、体力の消耗している人や、妊婦さんには注意が必要とされています。

ヘンプシードも、身体にいいからと、食べ過ぎるとお腹がゆるくなることがありますので、何事も食べすぎには注意しましょう。

石田義昭『飲食店繁盛ダネ!』

“繁盛仕掛け人”石田義昭が飲食店開店の秘訣から売上増進の策および、日本各地の販売促進事例をわかりやすく解説、紹介します。

井上奈々子の『食の豆々知識』

飲食店における重要なメニューの考え方、作成方法、そして商品開発の極意など、繁盛につながるヒントを余すところなく紹介します。

KAZU石田の『飲食店現場の眼-小さな気づき-』

実践コンサルタントが各地を回りまさに“事件は現場で起きている”を心に目を光らせ、見つけた問題点を鋭く指摘、改善を容赦なく進言、普段の行動の様子を紹介します。

飲食店経営のあらゆる
お悩み、相談、ご質問をお受けします