コラム

井上奈々子の『食の豆々知識』

2022年4月11日

Vol.214 牛乳パック

牛乳パックを使用してケーキを焼くレシピがSNSで、問題となっています。

牛乳パックを再利用法は、それこそ私が小さいころから目にし、「牛乳パックをまな板に使用する」「牛乳パックで押しずしの型にする」などをはじめ、もちろんケーキの型にする、オーブンで焼く、というレシピもいっぱいありました。

なぜいまさら?という感もありますが、今だからこそ、考え、気を使わなければいけないことかと。

今回は、牛乳パックのオーブン使用について。

●牛乳パックでケーキを焼くレシピの問題点とは。

問題となっていたのは、テイストメイドジャパン(動画サイト)が4月6日に投稿した「混ぜて焼くだけ絶品チーズケーキの作り方」。

牛乳パックをケーキ型として使用し、生地を流し込んでオーブンで焼くというレシピ。

このレシピに対し、SNSで「牛乳パックのコーティングが溶け危険では?」という指摘を受け、テイストメイドジャパンは投稿を削除。

公式Twitterで「弊社の認識不足もあり、牛乳パックを加熱する点について視聴者の皆様からご指摘を頂戴しました」と謝罪をしました。

(参考:yahoo ニュースより)

牛乳パックは、日本乳業協会のWebサイトでも「牛乳パックを加熱することは本来の目的と異なる使用方法ですのでおやめください」と注意喚起されています。

牛乳パックには、紙にポリエチレンをラミネートしているため、85~95℃でやわらかくなり、100℃超えるとその樹脂が溶け始めます。

それでも、今でも、ネットには数多くの牛乳パックをケーキの型にしようしたレシピが載っています。

●缶詰も加熱してはいけない?

今から、20年ほど前のことでしょうか。

飲食店のメニューに、缶詰をそのまま七輪などで焼いて提供するメニューが流行ったことがありました。

その後、アウトドアやBBQが流行り、その時も、缶詰の直火焼きは流行りました。

しかし、缶詰にも、プラスチックの材料がコーティングされています。

加熱をすれば、使用している樹脂が溶けだします。

缶詰の直火も危険です。

●SNSで視聴者に指摘され問題となることも多い

近年、ネットやSNSで騒がれたメニューといえば、醤油漬けにした生卵を使用したおにぎらず。

醤油漬けの生卵までは問題ないのですが、それをおにぎり(おにぎらずは、にぎらない簡単なおにぎり)にすることで持ち歩くことが予想されるため、食中毒の危険性があると指摘を受け、このレシピも削除されました。

また、はちみつを使用した子供向けのおやつなどのレシピも問題となりました。

「はちみつ、離乳食」などで検索するとレシピが数多くヒットし、中には、本当に離乳食用のレシピとして、はちみつを使用していたものもありました

(はちみつは、1歳児未満の赤ちゃんには与えてはいけません)。

今では、はちみつのレシピに「はちみつをしようしているので、1歳未満のお子さんには控えてください」という注意書きが添えられるようになりました。

また、炊飯器を使用した炊飯以外の調理も問題です。

炊飯器のメーカーは、付属のレシピ以外の使用は控えるように注意を呼びかけています。

調理やレシピに限らず、今、ちょっとしたことでSNSで炎上したり、それにより、謝罪したりということがとても多くなっています。

人を傷つけるような投稿は、問題だと思いますが。

逆に、簡単に投稿、発信できる今であるからこそ、発信することは本当に気を使わなくてはいけないと。

私も、今回のことを重く受け止め、気を引き締めたいと思いました。

今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

そして、がんばりますので。

ちょっとだけ、おてやわらかにお願いいたします...笑。

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