コラム

井上奈々子の『食の豆々知識』

2022年6月6日

Vol.216 ポップコーン

1986年、これこそ全世界が熱狂したといってもいい超大作映画「トップガン」。

そこから36年、待ち望まれていたその続編の映画が、この2022年5月27日、公開されました。

「トップガン マーヴェリック」。

1か月前から、トム・クルーズの写真入りのムビチケ(前売り)を買い、楽しみにし過ぎるほどし過ぎながら、公開初日...は仕事があったもので、2日目の土曜に観てきました。

と、映画の話を始めると、世界に入り込み止まらなくなるので、この辺にして。

映画といえばポップコーン、ということで、やはり、ポップコーンとコーラ、ではなくコーヒーでしたが、食べながら観た訳です。

関係ない前置きが長くなりましたが、本日のお話は、「ポップコーン」。

●ポップコーンってどうやって作るの?

ポップコーンって何からできているか知っていますか?

そう、とうもろこしです(って、わかりました笑?)。

乾燥したとうもろこしをほぐし、フライパンに油とともに入れてふたをして火にかけ、しばらくゆらしていると、急にポンっ、ポンっとはじけて、あっという間に、フライパンのふたの下はパンパンに膨れ上がり、音もなくなります。

ポップコーンの出来上がりです。

最近スーパーにもとうもろこしが出回るようになってきました。

では、そのとうもろこしを乾燥させて同じようにフライパンにかけたら、ポップコーンになるのでしょうか。

答えはいいえ、なりません。

一般的に甘くておいしいとスーパーに売られているとうもろこしは、「スイート種」であり、ポップコーンに使用されるのは、「ポップ種(爆裂種)」と呼ばれるものです。

ポップ種のとうもろこしは、皮が硬く、加熱すると圧がかかり、破裂します。

一般のスイートコーンは、乾燥しても、加熱して破裂しません。

ちなみに、よくカントリー風のところにおいてあるカラフルな乾燥したトウモロコシは、ほとんど飾り用ですが、その中には、ポップ種に近い、「フリント種」などが含まれ、これは爆裂種ほどではありませんが、破裂します。

それでも、それほど大きく破裂しないので、食べるにはあまりおすすめできません...。

●この時期、ポップコーンは身体にいいの?

これからの季節、むか~しにちょっと話をした気もしますが、中医学では、「湿」が身体にたまりやすいと言われます。

体がだるい、頭が重い、むくむ、など。

この「湿」によい食材がとうもろこしなんです。

ポップコーンも形を変えてはいますが、元はとうもろこし。

なので、薬膳ではポップコーンも「湿」をとるものされます。

ただ気をつけなくてはいけないのが、塩分と油。ポップコーンには、油をかなり使用していることが多いのと、味もしっかりと塩がかかっていますので、ポップコーンを食べすぎてしまうと、意味のないことに...。

ですので、この時期、ポップコーンを食べるのももちろんいいのですが、それよりも今、ベビーコーン(ヤングコーン)が出回っています。

ベビーコーンのひげは、やわらかくて食べられます。

とうもろこしのひげは、南蛮髭や玉米髭と呼ばれ、漢方薬にも使用されています。

こっちの方が、「湿」をとるのはおすすめかも...(笑)

映画館といえばポップコーン。

これは、当時お菓子として、ポップコーンが人気だったこと、また、気に入らない映画のスクリーンにポップコーンが投げやすかったこと(アメリカらしい笑)、などなどの理由から、1930年頃、映画館でポップコーンが売られ始めたようです。

それが日本にも伝わり、日本でも「映画といえばポップコーン」となりました。

そして、私は、上記でおすすめしない、とか言いながらも、映画を観るときには、「塩味のポップコーン、バター多めで」が定番です(笑)。

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