コラム

井上奈々子の『食の豆々知識』

2022年8月8日

Vol.218 水キムチ

キムチというと、真っ赤なイメージがありますが、白いキムチをご存じですか。

そう、水キムチです(いや、厳密にいうと、白いキムチは他にもありますが...笑)。

韓国に伝わる数多いキムチの中でも、もっとも古くからある伝統食で、白い汁の中にぷかぷかと野菜が浮いています。

唐辛子が入っているものもありますが、一般的には唐辛子を入れず、白い、全く辛味のない汁が多いようです。

その昔からある韓国料理の水キムチが、最近細々とですが、人気を見せています。

今回は、そんな「水キムチ」の話。

●水キムチは、飲む漬物?

水キムチは、野菜を水分と一緒に発酵させ、その漬け汁ごと味わう韓国のお漬物。

「飲む漬物」ともいわれます。

浅漬けに似ていますが、汁を飲むのが水キムチ。

「漬物の汁を飲むなんて」と、日本では飲まない方も多いのですが、塩分が2~3%の浅漬けと違って、水キムチの塩分は、1%以下。

十分に飲んでおいしい汁なんです。

食事の前に汁を飲むと、喉と胃を潤すと同時にほどよい酸味が食欲を増進させます。

また、韓国では、二日酔いの朝には、必ず飲むものだとか(笑)。

〆の冷麺など、脂っこいものを食べた後に飲んで、口をさっぱりさせるのもいいですね。

あ、冷麺のスープは、水キムチの汁を使うんですよ。

●なんで最近人気なの?

近年、発酵食品がブームです。

発酵食品の中でも「食物性乳酸菌」は、生きて腸まで届く、と話題です。

その乳酸菌と野菜の食物繊維やビタミン、ミネラルが同時にとることができるとして、発酵食品である漬物が、改めて注目されているんです。

そして、更に、水キムチの乳酸菌は、ぬか漬けの18倍だとか。

発酵食品からの甘酒がブームとなり、甘酒ドリンクを飲む習慣ができたように、水キムチの汁を飲む習慣ができるかもしれませんね。

●人気の水キムチは?

水キムチ、というと定番の具材は、白菜、大根、きゅうり、りんごまたは梨とかでしょうか。

様々な野菜とフルーツが混ざっているものが多いようです。

が、最近の人気は、プチトマト。

しかもプチトマトのみ。

他にも、かぶやキャベツなど、単品または2種類程度でつくる水キムチが人気です。

また、りんご、梨は定番ですが、ぶどうやキウイなどのフルーツの水キムチも。

さっぱりとした酸味にフルーツの甘さがなんともいえず。

そして、驚きなのは、鶏肉などの肉類の水キムチ。

これはさすがに、生では食べられませんので、火を入れますが、発酵したお肉のやわらかいこと!

汁もスープなどにして楽しめます。

ぜひお試しあれ。

水キムチは、塩分、ミネラル、そして乳酸菌がたっぷり入った、夏バテ予防に最高な飲み(食べ)もの。

この夏は、水キムチで、夏バテ知らず、ですね。

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