コラム

KAZU石田の『飲食店現場の眼-小さな気づき-』

2013年5月7日

Vol.22 看板商品の価値を守る工夫

さあ、ゴールデンウィークも過ぎ、気温も急上昇してきました。

業績もこの勢いでグングン伸ばしたいですね。

さて、先のゴールデンウィーク期間中のスタッフシフトは、万全でしたか?

店舗によっては、主婦や学生の自分達都合の休暇願いで、勤務シフトにかなりの不備が生じていたようです。

結果的には、お客様に満足感ダウンのしわ寄せが。

今後も大型連休や連休の合間に向けての対策を準備しなければいけません。

この問題を解決するには、やはり最初が肝心なのではないでしょうか?

入店前の面接時に休日・休暇のあり方をキチンと伝え、店側のルールに従える事を条件で採用する事が必要でしょう。

人手が足りない等で簡単に採用してしまったため、本来一番必要な時にシフトに入れないことになっては、全く意味がありません。

今回そんな経験をした店舗は、今後の採用に経験を生かしましょう。

話は変わって、今回相談を受けた海鮮居酒屋の事例についてご紹介します。

相談内容は、看板商品の売れ行きが満足な状況ではないとの事で、早速、視察してきました。

今回も、お客様目線で見ればすぐに気がつく問題や、店が慣れてしまって欠点だと気づかない問題など、いくつも出てきましたが、そのなかでも真っ先に気づいたのは、そうです、居酒屋にはつきものの「お通し」です。

出てきたお通しがなんとお刺身の三点盛りなのです。

お通しと言うだけあり、ファーストドリンクと同時に提供されたのですが、まず問題なのは、いちばん最初にお客様の評価の対象となる商品なのに、切り置きしていた為、見た目からして鮮度がありません。

店は、三点盛りにして「お通し」の価値を上げたつもりなのかもしれませんが、これでは、自慢したいはずの海鮮という看板の評判を自ら下げる行為になっています。

来店されたお客様の多くが、第一印象が悪ければ、海鮮類に期待しなくなってしまう。

これでは売れ行きが悪いのは当然ですね。

それに本来ならば、刺身は店のメイン料理で看板商品のはず。

お通しが刺身の三点盛りでは、あえて「刺身の盛り合わせ」はオーダーしませんね。

海鮮を売りにするならば、メニューの「刺身盛り合わせ」を頼んで頂けるような別なお通しを考えなければいけません。

業種によって看板商品は様々ですが、頼んでもらえなくなるような、本来の姿をわかっていただけないような「お通し」の提供はそれだけで命取りになることがあります。 

マイナスになるような提供は、注意しなければいけませんね。

ではまた。

石田義昭『飲食店繁盛ダネ!』

“繁盛仕掛け人”石田義昭が飲食店開店の秘訣から売上増進の策および、日本各地の販売促進事例をわかりやすく解説、紹介します。

井上奈々子の『食の豆々知識』

飲食店における重要なメニューの考え方、作成方法、そして商品開発の極意など、繁盛につながるヒントを余すところなく紹介します。

KAZU石田の『飲食店現場の眼-小さな気づき-』

実践コンサルタントが各地を回りまさに“事件は現場で起きている”を心に目を光らせ、見つけた問題点を鋭く指摘、改善を容赦なく進言、普段の行動の様子を紹介します。

飲食店経営のあらゆる
お悩み、相談、ご質問をお受けします