コラム

井上奈々子の『食の豆々知識』

2023年1月10日

Vol.223 食キーワード

あけましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

さて、さっそくですが。皆様の今年の「食目標」「食キーワード」は何ですか?

とりあえず、昨年の「食キーワード」を見てみることにしましょう。

● 「ガチ中華」「ヤクルト1000」

昨年末。2022年新語・流行語大賞が発表され、そこに、「ガチ中華」「ヤクルト1000」がノミネートされました。

「ヤクルト1000」は、ヤクルト史上最高の密度の「乳酸菌シロタ株」を含んでいる飲料で、「睡眠の質がよくなった」などの口コミの投稿が相次ぎ、全国的に品薄状態が続きました。

どこに行っても手に入らないことが更に口コミに輪をかけ、話題になったものです。

コロナ過での象徴でもあり、これは、なんとなくわかります。

では「ガチ中華」は?

「ガチ中華」とは、「日本人の好みに寄せていない中華」のことで、中国圏の人たちが経営、調理し、彼ら自身が故郷の味をそのまま自分たちのために提供していた中華料理で、日本人が慣れ親しんできた中華料理とはかなり、かけ離れています。

そういったお店は、実は昔からありましたが、近年中国版のSNSで、日本在中の中国の人たちに人気となり、更には、日本にいながら、海外旅行をしている気分になれるからか、旅行や出張、赴任などの際に本場中国で食べたことのある味を懐かしく思うからか、日本人にも話題になったようです。

と言えば、これも旅行離れしている一種のコロナ過の象徴??

● 「完全食」「米粉食」

WEBメディア「おうちごはん」は、「2022年年間食トレンド大賞」に「完全食(完全栄養食)」と「米粉食」を選出しました。

「完全食」は、健康を保つために必要な栄養素のすべてをバランスよく含んでいる食品を指します。

昔からあったようにも思えますが、昔はスムージー系のドリンク製品やクッキーやおやつ的なもの、サプリメントなどで、ダイエット食が強い感じのものでした。

しかしここ近年、麺やパン、ごはんなどの「食事」として開発され、忙しい社会人、主婦などにも注目され、人気が高まったようです。健康食とは程遠いところにあったインスタント食品でも、完全食が開発されたことが大きな要因かもしれません。

そして、え?また?という感じで第2ブームに沸いている「米粉食」。

今から10年ほど前にも、米粉のブームがきましたが、それは、アレルギー食、代替食として開発され、パンや麺類くらいなものでした。

ここ数年の米粉ブームは、グルテンフリーの意識が高まったことに加え、小麦の高騰により、小麦製品のほとんどのものが米粉でつくられ、和洋中、すべてのシーンで活用されるようになったからかと思われます。

また、これらは、代替えではなく、米粉の製品として、おいしいんです。

実はそれが1番の理由かも...。

昨年のキーワードでしたが、気になるものはございましたか?

そして、みなさまの今年の「食キーワード」は何ですか?

私としては、今年もコロナ過の影響や健康ブームはまだ続きそうな気がしています。

でも、私の今年の食のキーワードは「しゃぶせん」。

銀座コアビルが建て直すことになって、どうも、中に入っている「しゃぶせん」が閉店するらしいんです...。

しゃぶせんは、私が子供の時、初めてしゃぶしゃぶを食べたお店で、本当によく通った懐かしいお店なんです...。

いや、ただ、そこに行きたいなぁというだけなんですが...笑。

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