コラム

井上奈々子の『食の豆々知識』

2024年3月11日

Vol.237 食物繊維

厚生労働省は、2025年より、成人の食物繊維の理想的な摂取量(1日当たり)を24gから25gに設定すると発表しました。

これは、日本人が健康に過ごすために、食事で摂取すべきエネルギーや栄養素を厚生労働省がまとめた「日本人の食事摂取基準」によるもので、5年に1度の改正が行われています。

今回の改正のポイントの1つが食物繊維であり、2025年からの適用となります。

つまり、毎日食物繊維を1g、多くとるようにしましょうってこと??

ということで、今回は、「食物繊維」の話。

 

●理想的な摂取慮??

そもそも、日本人は平均どのくらい摂取しているのかというと...。

13.3g/日...。

かなり少ないんです...。

そのため、厚生労働省は、摂取を目指す1日の「目標量」として、成人男性は20~22g(年齢によって)、成人女性は17~18g(同)と、基準を設定しました。

理想的な摂取量が25g、目標が17~22g。

私には、ちょっとよくわかりません...笑。

高すぎる目標値は、現実味がないということか?笑

しかし、この数値は、最新の研究で「食物繊維を多くとるほど、がんや糖尿病などの生活習慣病の発症率が低くなる」ということが明らかになったからでもあります。

めざせ、ですね。

 

● 食物繊維25gはどうやったら摂れるの?

食物繊維25gは、大きめのキャベツ1ヶ分らしいです...。

でも、そんなの毎日食べられません...。

ごはん1杯で2~3g。

根菜類は、ごぼうがトップで、100gあたり5g程度。

その他の野菜や豆類、芋類に100gあたり2~3g。

ごはんを1日3食食べて、野菜を1日こちらも必要だと言われている摂取量、350g食べると、とりあえずは20g超えそうです。

実は、1950年頃までは、日本人の食物摂取量は20gを超えていました。

食物繊維の減少は、食生活が変わり、肉や乳製品、小麦(パン)の摂取が増え、米、芋
類の摂取が減ったことが原因と言われています。

そして、実はここ10年で更に減っています。

何が原因かわかりますか?

これは、糖質制限だと言われています。

糖質が身体にいいかどうかはおいておいて、米や芋類を更に食べなくなってしまったんですね。

こういう結果を見ると、様々な健康ブームがありますが、偏り過ぎないほうがいいのかなぁと(きちんと他の栄養面考えてやっている場合は別ですが)も、思ったりします。

ごはんひとつとっても、白米よりも玄米や雑穀の方が、食物繊維は、1.5~3倍ほど多く、もちろんこれは、パンにも言えることで。

ひとつひとつ、無理なく、増やしていく意識をもつことが大切なのかもしれませんね。

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