コラム

井上奈々子の『食の豆々知識』

2024年5月7日

Vol.239 噛む

私事ですが。

「かむにんじゃ 参上!」(発行 SUGAO)という絵本の中のレシピをお手伝いしました。

作者の「いろは」さんとは、大学を出て入ったフードコーディネータースクールの時の友達で。

もうかれこれ30年近くになります(年がばれる...)。

人の倍くらいの速さで動いて、しゃべり続けているような(笑)、チャキチャキとした女性でした。

料理が大好きで、食に関わるいろいろなお仕事をされていました。

そんな彼女から、「入院している」と連絡が入ったのは、10年くらい前でしょうか。

全身に障害が残り、手もなかなか思うように動かせず、おしゃべりするのも大変そうでした。

今までやってきたことが、全くできなくなり。

それでも自分に何ができるのかと、考えて出した答えは、「本を書いてみようと思うんだ」でした。

「かんで食べること」がどれほど必要なことなのかを身をもって感じている彼女は、このことを伝えていきたい、と絵本を出しました。

その「かむにんじゃ」シリーズの3冊目となります。

3冊目にして、何か彼女を手伝えることができないかと思っていた私の望みが叶いました。

前置きが長くなりましたが、今回は「噛む」ということの話。

 

● 唾液がでると何がいい?

まずは、噛むことで1番いいことは、唾液が出ることです。

これにより、虫歯予防になります。口にたまった汚れを流れ落とすとともに、修復作用の働きもあります。

また、年を取ると歯が黄色くなってくるのは、唾液が出づらくなるせいもあります。

つまり、唾液がでることで、ホワイトニング効果もあるわけです。

そして、何よりも唾液には消化酵素があります。

噛むことで、食べ物が消化されやすくなるとともに、消化酵素まで出ます。

病院などで、胃腸が弱い方に、よく噛むようにと指導されるのは、これが理由です。

現に、作者のいろはさんも、食べるといつもこわしていたお腹の調子が、よく噛むようにしただけで、よくなったとあとがきに書かれています。

 

● 噛むと小顔効果??

よく言われるアンチエイジングですが笑。

噛むことで、舌やあごの筋肉が鍛えられるからです。

最近では、顔ヨガといわれる、たるみ予防や、小顔効果をねらった運動が人気ですが、毎食、毎回よく噛むだけで、その効果が得られちゃうわけですね。

また、もちろん、成長期においての言葉の発達や、脳の動きの活性化、また、認知症予防などがあることも明らかになっています。

今回、お手伝いしたのは、絵本の中で出てくる「おじいちゃんのむしパン」のレシピです。

よく噛んで食べられるもの

うちにあるもので簡単にできるもの

アレルギーの多い卵・乳・小麦が不使用でもつくれるもの

これらを満たすものを作者のいろはさんといろいろ試作しながら考え、「にんじんむしパン」となりました。

みなさまにも、読んで、そしてお子さまたちに読み聞かせをして、また作って頂きたい絵本で、レシピです。

Amazonで売ってます、ぜひ(←広告です笑)。

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