コラム

井上奈々子の『食の豆々知識』

2024年11月13日

Vol.243 れんこん

11~12月が旬といわれるれんこん。

れんこんの食感は、「シャキシャキしている」?

それとも「ほこほこしている」?

いやいや、「ねっちり糸が引くようで繊維質」?

実はいろんな人に聞いてみると、意見が分かれました。 そしておもしろいことに、その発言は、実は出身地によって分かれることが多いんです。

ということで、今回は「れんこん」の中でも食感の話。

● シャキシャキ?ねっちり?は東西対決?

れんこんの品種は、大きく分けて、2つ。 在来種と中国種があります。

現在流通しているのは、ほとんどが中国種。 生粋の在来種はほとんど見かけなくなり、かけ合わせの品種が多いようです。

太めのずんぐりとした形と白っぽい色が特徴の中国種は、西の方面でよく栽培され、食感はシャキシャキ。

切ると糸を引くほどの粘着質で、やや細めの茶色っぽい色味をしているのが、在来種。 関東や東海地方で栽培されています。

私のれんこんのイメージは、ねっちりと筋ばっている感じ。 でも、10年ほど前「岩国れんこん」というブランドれんこんに出会って、こんなれんこんがあるのか、と驚いたんです。

なんといっても白い、そして、シャキシャキ、ほこほことした食感。 今まで食べたことのないれんこんでした。

と思って、まわりに、れんこんの食感を聞いてみると、関西方面は、シャキシャキ、そして

関東方面は、ねっちり、とか、筋っぽいと(もちろん人にもよります)。

なるほど、地域によって、品種の傾向が違っているからなのか、と納得。

*色は漂白されていることもありますので、一概にはいえません。

ちなみに、シャキシャキ系の食感は、火を入れると、ほこほことした食感に変わることが多いです(品種にもよりますが)。

ほこほこ、と食感を感じる方は、火がしっかり入っているれんこんを多く食べているのかもしれません。

あ~なのあいたれんこんさん、という歌詞の「おべんとうばこのうた」は、お弁当としても数え歌としても、「時代に合わない」と、現代版の替え歌ができ、むかしながらの歌は、もうなくなりつつあるようですが。

その歌詞の通り、穴が開いているので、れんこんは、将来の見通しがよい、と縁起をかつぎ、おせち料理にもよく使われます。

そのおせちももうなくなりつつあるのかもしれませんが…。

好みの食感で使い分けられたらいいですね。

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