2004年10月1日
Vol.5 調味料
調味料とは、「素材(食品)を調味する(味をつける)のに用いる材料」ですから、ドレッシングもカレールーも焼肉のたれももちろん調味料なわけです。そう思ってスーパーに行ってみると調味料の種類の多さにびっくりします。塩ひとつとってもその種類は多く、できあいの調味料においては甘口、辛口から始まり、そばつゆ、うどんつゆ、そうめんつゆ、また、豚丼のたれ、牛丼のたれまで用途別に分かれている次第です。スーパーに行くとついつい楽しく、何が違うのだろうと時間を忘れ見入ってしまう私ですが、仕事以外ではこういった様々な調味料を使用することがあまりなく(というか、買っても1~2回使うとあきてしまいどうも最後まで使い切らないのでついつい買わなくなる…)、気づくと今日もテーブルの上のおかずは、塩、醤油、酒、砂糖、味醂(しかも、いつも使用するこれらの銘柄も決まっている…)などでほとんどの味付けがされていたりします。それでもそれぞれの味付けが違って思えあきがこないのは、すごい調味料だなあと感じる今日この頃です。
五の数シリーズも終わり、今度はこういった基本の調味料を中心に、ちょっとおまけの調味料までの豆々知識を数回お話していこうと思います。
さて前書きが長くなりましたので、今回は軽く、調味の基本「さ・し・す・せ・そ」のお話。昔から、「調味料は『さ・し・す・せ・そ』の順に入れる」といわれます。これは、煮物のように加熱することで調味料をしみこませていく場合のこつを覚えやすくした表現で、「さ」は砂糖、「し」は塩、「す」は酢、「せ」は醤油(せうゆ)、「そ」は味噌のことを指します。塩と砂糖は分子量の大きさが違い、同時に入れると分子量の小さい塩が砂糖より先に材料にしみこみます。塩は食品の組織を硬く引き締め、逆に砂糖は食品の成分を軟らかくする働きがあり、先に塩がしみこんでしまうと材料を引き締め、あとからくる調味料の進入を妨げることになります。だから、まず、砂糖に限らず甘味ものを先に加え味を含ませ、軟らかく煮えたところで、塩分のあるものをあとから加えるようにするわけです。また酢は加熱により蒸発するため早くから加えるのは好ましくなく、醤油、味噌はいずれも香りを大切にする調味料なので火から下ろす間際に加える方がよいとされています。
これが「さ・し・す・せ・そ」の順なわけですが、特に「す・せ・そ」はこじつけのところもあるように思え、必ずしもこうでなければいけないということはもちろんありません。こういった理由があるのだということだけでも覚えておいて、あとはその料理にあわせて使い分けて頂ければと思います。
小学生の頃、この言葉を私は祖母に教わり、意味もわからず「酒は『さ』だから、最初か」「ソースは『そ』だな。ケチャップはどうしたらいいんだろう。」と更にこじつけ、炒め物や和え物にまでこの順番にこだわり加えていたものでした…。
石田義昭『飲食店繁盛ダネ!』
“繁盛仕掛け人”石田義昭が飲食店開店の秘訣から売上増進の策および、日本各地の販売促進事例をわかりやすく解説、紹介します。
井上奈々子の『食の豆々知識』
飲食店における重要なメニューの考え方、作成方法、そして商品開発の極意など、繁盛につながるヒントを余すところなく紹介します。
KAZU石田の『飲食店現場の眼-小さな気づき-』
実践コンサルタントが各地を回りまさに“事件は現場で起きている”を心に目を光らせ、見つけた問題点を鋭く指摘、改善を容赦なく進言、普段の行動の様子を紹介します。
飲食店経営のあらゆる
お悩み、相談、ご質問をお受けします