2008年8月12日
Vol.50 にら
暑いですね。
梅雨が明ける頃になると、毎年、今年はそんなに暑くならないのかなと、ついついちょっとだけ期待をしてしまうのですが、やはり、そんなわけにはいかず。
今年も、変わらず、暑く寝苦しい夏が続いております。
夏が始まる頃は、夏バテをしないようにと、うなぎなんかを食べていても、本当に暑く夏まっさかりになると食欲も落ち、水分ばかりとってしまいます。
そして、残暑が厳しい頃には、完全なる夏バテ。
気付いたときにはもう遅い。
そんなときにこそ、食べてほしいのが最近人気急上昇の“にら”。
そんなわけで今回は、にらのお話。
● なぜ、今、にら?
栽培は古くからされています。
9~10世紀頃から。
想像つきません。
でも、八百屋さんに並び、消費が伸び始めたのは、昭和40年以降。
これなら、私にも想像つきます(笑)。
それまでは、家庭菜園としてだけで消費されていたようです。
それでも香りがきついため、好き嫌いが激しい野菜と、ちょっと敬遠されがちでしたが、ここ近年、香菜などの、においの強い野菜が好まれるようになり、にんにく同様、にらの独特のにおいも気にされなくなりました。
そんな今日この頃、料理番組などで、にらを生で使用した“にらソース(きざんだにらと醤油や酢などの調味料を合わせたもの)”の料理が取り上げられ、人気爆発。
雑誌などで特集が組まれるなど、今や、にらは人気急上昇なのです。
●旬は冬。でも夏バテに最高の食材。
出回っているもののほとんどは、葉幅が広く、色も濃い、大葉種の“グリーンベルト”。
1年中出回っていますが、旬は11月~4月。
葉肉が厚く柔らかです。
しかし。
おすすめは、今。
これから。
残暑にかけて。
なぜならば、
○ビタミンB1を含み、更にビタミンBを持続させる硫化アリル(これがにおいのもと)を含むため、この夏ビールや甘いジュースを飲みすぎた身体に、疲れ、だるさがとれない夏バテに、最適。
○日焼けしてしまった肌に必要なビタミンA、Cもたっぷり。
○クーラーで冷えた身体や、かぜをひいた人にも効果的。
○にら独特な香りや、生で食べたときの辛味は、食欲を増進させます。ちなみに、夏には、少し葉の細く堅めの細葉種が出回っています。
●にらもやしって何?
もともと、「もやし」は、萌やし。
種からでた柔らかい芽のこと。
青にらを、軟化栽培させ、もやしのように育ててものを「黄にら」と言います。
その名のとおり、葉は黄色。
これが別名「にらもやし」。
香りが穏やかで、柔らかです。
ちなみに、「花にら」は先端に蕾をつけ、花茎を食べる花にら専用の品種。
●“おねしょにも、にら”は本当?
にらは、ビタミンEを多く含むので、血液循環をよくします。
にらが、打撲(のはれ)、しもやけ、鼻血などにいいというのは、そのためです。
また、冷えからくる障害に効果があるため、冷え性をはじめ、下痢や腹痛にも。
昔から、「おねしょににら」といわれていたのは、この効用からか…。
ところで、胃もたれやつわりには、にらをつぶした汁に牛乳を入れて飲むといいそう。
これは、今回、調べていて初めて聞いたことでしたが。
う~ん、ビタミンEがあるから、効くんだろうけど、あまり、つわり中には飲みたいとは思わないだろうなぁ…。
にらは、かみきれないとか、歯につまる、なんていう(わがままな)意見もあり、好まれない原因に。
そんなこともあり、生で食べる場合は、みじん切りが正解。
長く切ると更にかみきりづらいです。
ごま油を混ぜると、ゴマの香りが、にらの強烈なにおいを和らげ、更に、吸収をよくするのでおすすめ。
メタボぎみなおじさまにも、日焼けをしてしまった女性にも、夏バテ気味なサラリーマンにも、ぜひ、この残暑は「にらソース」、お勧めしてみてください(笑)
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