コラム

井上奈々子の『食の豆々知識』

2008年12月9日

Vol.54 ハンバーガー

「ニッポンのハンバーガーよ もう遊びは終わりだ」 

マクドナルド クォーターパウンダー キャンペーンメッセージより

クォーターパウンダーが日本に上陸しました。皆様、もう召し上がりましたか?

今、ハンバーガーが熱い戦いを始めています。ので、ハンバーガーについて、少々。

● ハンバーガー史上最高のキャンペーン

11月1日、表参道と渋谷に「QUARTER POUNDER」という黒と赤を基調にしたお店がオープンしました。

マクドナルドというロゴを一切隠し、謎の海外ブランド上陸(?)といったイメージで、インターネット、マスコミで話題になり始めた11月28日、関東圏のマクドナルドにて、クォーターパウンダーが発売されました。

クォーターパウンダーはその名のとおり、1/4パウンド(通常のビーフの2.5倍)のビーフパティを使用。ボリュームだけではなく、ビーフそのもののジューシーさを売りにし、フレッシュなオニオン、ケチャップ、マスタード、ピクルスをあわせた、まさに、アメリカンテイストのハンバーガーです。

上記のショップ展開に限らず、日比谷野音にての商品発売記念イベント、ファンクラブ、そしてCMと、マクドナルド史上最大規模のプロモーションをかけているところからも、力の入れようがわかります。

● もはや日本でも国民食、ハンバーガー。

1971年銀座にマクドナルドが出店して以来(それ以前にも、ハンバーガーショップはありましたが)、ハンバーガーは日本中に広がり、ビーフ、ケチャップ、マスタードといった、アメリカンテイストのものを始め、照り焼きソースといったしょうゆ味の利いた和風のものも定着しました。

様々な年齢層に愛され、もはや、カレー、ラーメンに続き、ハンバーガーは国民食になりつつあります。

ところで、ハンバーガーってなんですか?

ハンブルグ風ステーキ(ハンバーグ)を丸いパン(バンズ)に挟んだサンドウィッチのこと、だそうです。

しかし、ハンバーグ(ミートパティ)だけではなく、魚のフライや焼肉などを挟んだサンドウィッチも「~バーガー」と呼ぶなど(これはアメリカでも一緒)、「バーガー」という新しい言語までも、つくられています。

それだけいろいろなものを挟んで、サンドウィッチとは何が違うのか。

どうも、バンズ(丸く焼き上げた少し甘めのシンプルなパン)に挟む、ということにこだわっているようです。

● ハンバーガーの戦い

マクドナルド以外でも、ロッテリヤのビーフとチーズしか挟まない「絶品チーズバーガー」、ベッカーズの注文後に焼き上げる「グリルバーガー」など、100gを超えるビーフを使用し、ジューシーさ、肉の旨さを商品にしたものが、最近目に付きます。

「\100マック」という言葉も生まれた低価格な商品が定着し、次に「メガ」といったボリューム重視の商品がヒットした後、クオリティを重視、特にビーフを重視した商品が今後どこまで注目されるのか。

もともと、日本人は、ハンバーグに、ジューシーさやソースの旨みを求める傾向にあり、牛肉100%よりも7:3ほどの合びきの方が、また、塩・コショウよりも、デミグラスソースなどがたっぷりかかっている方が、人気です。

さて今回、ビーフを打ち出した、アメリカンテイストがどこまで日本人に好まれるのか。

ハンバーガーの傾向をみることで、経済状況から、日本人の趣向までもわかって、おもしろいですね。

ところで、「ハンバーガーといえば、マクドナルド」「チキンといえば、ケンタッキー」「ビーフといえば、吉野家」と言われていましたが、ビーフの使用量はマクドナルドの方が上であり、今後「ビーフといえばマクドナルド」となるように、マクドナルドはしたいらしい。

でも、「牛肉が食べたい」と思った時に、ハンバーガーを食べたくなるか・・・。

そんな時代もいつかはくるんですかね。

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