コラム

井上奈々子の『食の豆々知識』

2010年6月8日

Vol.72 メタボランチ

今月号(2010.6)より、FBAのおすすめレシピのテーマが新しくなりました。

テーマは、健康。

今、お弁当、宅配業界では、カロリー、塩分表示は当たり前、ダイエット食、糖尿病食など、専用のメニューがそろっています。

でも、普通の飲食店では、大手ファミリーレストランさんくらいが、表示をしているくらいで、まだまだなのが現状です。

最近は、男性、女性を問わず、マイ弁当派(自分でお弁当を作って持ってくる人)が増えているそうです。

もちろん、経済的理由が1番でしょうが、カロリーや塩分を気にして、という人も多いとか。

お昼時、コンビニやお弁当屋さんをみていると、カロリー表示を確認して買っている人たちがかなりいることに気づきます。

そういったことを気にしているサラリーマンやOLさんたちは、ランチを外でとるときに、“今日のダイエットは、目をつぶろう”とか“○○料理ならカロリーが低そうだな”、あるいは“お肉とご飯を半分残せば、カロリー減らせるかな”というように思いながら食べていることが多いのではないでしょうか。

コラーゲン、とか、美肌とかだけではなく、毎日の食事について安心、確認できる飲食店があればいいのにな、と思っていたら、やはり、ありました。

社員食堂ですが。

体脂肪計などで有名な株式会社タニタさんの食堂で出している日替わりランチが、500kcalで、それを毎日食べている社員がみんなやせたと、今年出版された「体脂肪計タニタの社員食堂」という料理本が、大ヒットしています。

また、そういった、健康面を考えた社員食堂も増えてきています。

これは、飲食店も取り組むときではないでしょうか。

“ここでランチを毎日食べていたら、1ヶ月でやせた”とか、“肌がきれいになった”とか、あるいは、“金曜は疲労回復メニューだから、あそこでランチしない?”とか、そんな会話が聞こえたらいいですね。

ちなみに・・・。

厚生省が21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)というのをやっています。

2012年までに向けて様々な項目で目標値が設定されています。

軽く抜粋してみると・・・。(中間評価平成19年4月、→の右は目標値)

・肥満者などの割合: 20~60代の男性 29.0%→15%以下
20~60代の女性 24.6%→20%以下

・食塩摂取量: 11.2g→10g以下(1日あたり)

・外食や食品を購入するときに栄養成分表示を参考にする人の割合:
20~69歳男性 18.0%→30%以上
20~69歳女性 40.4%→55%以上

自分の食生活に問題があると思う人のうち、食生活の改善意欲のある人の割合:
成人男性 59.1%→80%以上
成人女性 67.3%→80%以上
これを見ても、食に対する関心を国自体が持たそうとしていること、そしてまた、当人も本当に関心があること、でもできていないこと、がわかりますよね。

栄養面(カルシウムや鉄分、野菜の摂取量など)もまだまだ目標に足りていないのが現状です。

ところで、なぜ500kcalを推進するのか。

簡単にいうと、一般的な成人の摂取カロリーの目安は、1800~2300kcalくらいです。

もちろん、性別、年齢、生活環境、体重などによって違います。
細かく言えば長くなりますが、まぁダイエットしたいお父さん、体重を維持したいOLさんの1日の摂取カロリーの目標を1800kcalとしましょう。

3食の理想的割合は、間食や食後のコーヒーなども考え、400kcal、600kcal、400kcalです。

なので、ちょっと控えめの500kcal、ということですね。

今月号のおすすめレシピは、普通なら800kcalはあるしょうが焼き定食を、いかに、そのままのおいしさで、イメージ通りで、満足感もあり、500kcalに落とせるのか、ということが出ています。

よろしければご覧下さいませ。

ちなみに、おすすめレシピのもう1品は、低アレルゲンメニューです。

これも、大手ファミリーレストランくらいしか、本当になく、これに関して言えば、お弁当もほとんどありません。

こちらも、完全なアレルゲン除去は難しくても、何かしらできることから、取り組みたい問題です。

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