コラム

KAZU石田の『飲食店現場の眼-小さな気づき-』

2018年7月10日

Vol.81 お店は地域にいかされている

各地で災害の被害が報じられていますね。

本当に心が痛む7月となってしまいました。

私たちの仲間が九州、中国地方にもいらっしゃいます。

皆様からのご連絡の中では直接的に被害に遭われた方もいらっしゃいます。

私たちもできるだけのサポートをしたいと考えています。

大阪地方の地震では、顧問店が水道・ガスの断絶により仕事ができなくなってしまいました。

幸い短期間で営業を再開できたのですが、それは彼が日頃の準備をしていたからでした。

火が使えなくなった時のために、簡易コンロの用意やボトルでの大量の水の用意はもとより、揺れによる転倒防止のために棚に工夫をしたり、食器棚に抑えの扉止めを設置していたり、ディスプレイのための置物などは固定テープを貼って予防していたため、ほとんど店舗での被害が出ることなく済みました。

このような準備をしているのとしていないのとでは、大きな差が出るものですね。

皆様はどんな準備をしていますか?

何もしていないようなら、災害はいつ自分の身に起こるかわからないと考え、しっかりと自分の店を見直してみましょう。

社員・A/Pなどの連絡網は構築されていますか?

業者さんとの連絡は2人以上の人間が連絡できるようにしていますか?

地域の避難場所や必要な連絡先をわかるようにしてありますか?

そもそも、前述したような水やガスに代わる代替を準備していますか?

なぜ、そこまで、などと考えたとしたら情けないことです。

私たち経営者は、自分の店を守るためにその準備をすることが大切ですが、それだけではなく、地域の助けになるためにもそれをしなくてはいけないと考えるべきなのです。

普段、地域のお客様にかわいがっていただいていることで成り立っている商売であることは明白です。

その地域が大変な時に、少しの恩返しができたらと思うのは当然のことではないでしょうか。

東日本大震災の時、被害が少しで助かった店が地域のために炊き出しを率先して行った例がありました。

「炊き出しのとき、知った顔のお客様を見たら泣いてしまいました。

お客様も泣きながら、お店の心配をしてくださったのが忘れられません」という経営者の言葉を思い出します。

その後も店を心配して訪れるお客様がたくさんいて、本当に地域にいかされているのだなと感じられたと言っていました。

災害にあえば、体力的な疲労と精神的な消耗は計り知れないものがありますね。

そんな時、少しでも地域のお役に立つことができれば、こんな幸せなことはないのではないでしょうか。

そのためにも普段からの準備と心構えを持っていただけたらと思います。

これから暑く大変な季節に突入しますが、「自分を大切に、そして地域のお客様を大切に」仕事に励んでください。

頑張りましょう。

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