コラム

石田義昭の【飲食店 繁盛ダネ!】

2025年1月8日

その247 今年を“帰りたい時”が、たくさんある年に

「年末年始はいろいろ過去を思い出すなあ。」

「なにそれ、歳なんじゃないの。」

「そうじゃなくて、振り返っているわけよ。

自分の反省とか、出会った人とか・・・。」

「あらぁ、反省は大切だわ。

心行くまでどうぞ。

あ、これからのことも考えてね、未来もね。」

「仕事か!君も考えなさいよ。」

「私は、大丈夫よ、

今が大事、過去なんて戻らないから、振り返ってもね。」

「タイムマシンができるかもしれないだろ。」

「はぁ、子供なの?

ドラえもんか。」

「・・・。」

まぁ、脳天気な奥神様のことは置いといて、年末年始は、多くの人が1年を振り返ったり、これからの1年を予測したりしますね。

業界では、ぐるなびが“24年の今年の一皿”を発表しました。

「うなぎ」とのこと。

過去には、選ばれても、その後、消えてしまったものもありますから、未来を約束されたものではありません。

それだけこの業界は、厳しいということです。

今年もしっかり課題を見つけ、取り組んでまいりましょう。

【今年を“帰りたい時”が、たくさんある年に】

2025年を迎えましたね。

今年が皆様にとって良い1年になりますように。

「いやぁ、あの頃、この辺は飲食店が少なくて、昼は行列で天手古舞でしたよ」とか、「この通りは、行きかう人の肩がぶつかるくらい人が歩いていて、出したものが、何でも売れましたよ。

あの頃はよかったなぁ。」

「若いもんが何人も修行でいたから、人手不足なんて全くなかったなぁ。」

「若かったから、毎日が楽しくて、儲かっていたから、よく従業員と旅行に行きましたよ。

遊びもいっぱいして、疲れを知らなかったなあ。」

なんて過去のことを聞くと、今との落差で肩が落ちてしまいますが、「その時、未来を考えていましたか?」とは聞きません。

だって、そのまま、いつまでもその状況が続くと思っていたんですから、そんな過去を諫めるのは野暮というものでしょう。

それよりも、時代が変わった今を考えることが大切でしょう。

“あの時”は確かにあり、幸せな楽しい時間を過ごしたのも、間違いありません。

でも、時間はさかのぼることはなく、“あの時”はもうどこにもないのです。

時代はDX化の波で溢れ、人は働き方改革で動き、コンプライアンスは厳しさを増し、ハラスメント事案は闊歩する中、肝心な景気はどうにも明るくはありません。

物価は高騰するばかりです。

いやいや、試練ばかりのスタートですが、皆様の前には店を愛するお客様がいます。

皆様の想いをわかってくださり、応援してくださる方がたくさんいるのです。

大丈夫です。

今年が皆様にとって、後々、振り返った時に、あの頃はよかったなぁと“帰りたい時”がたくさんある1年になることを願っています。

では、また。

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